世界のマスク事情2025~アジア、ヨーロッパ、アメリカと比べた日本
世界人口80億のうち79億以上は素顔、残された日本は海外の人からどう見えるのか
これは昨年掲載した 世界の素顔/マスク事情について、日本と海外の状況を比較調査 の続編です。前回は、2022年の国境再開以降の各国のマスク事情について、時系列に沿って表にしました。
今回は、2025年の世界の現状を、よりシンプルに地域別にまとめています。
地域 | 素顔率 | 注釈 |
---|---|---|
日本/台湾 | 😊😊😊😊😊😊😊😊😷😷 | 季節や場所によって変動(数%~4割)、子供のマスクも多い |
中国/韓国/東南アジア | 😊😊😊😊😊😊😊😊😊😷 | 数%~1割程度。大気汚染理由のマスク着用も |
南アジア/中東 | 😊😊😊😊😊😊😊😊😊😊 | ほぼゼロ。地方では宗教的理由で顔を隠す女性も |
ヨーロッパ | 😊😊😊😊😊😊😊😊😊😊 | ほぼゼロ。 |
北米 | 😊😊😊😊😊😊😊😊😊😊 | ほぼゼロ。ハワイではアジア系観光客の一部にマスク |
中南米 | 😊😊😊😊😊😊😊😊😊😊 | ほぼゼロ。 |
アフリカ | 😊😊😊😊😊😊😊😊😊😊 | ほぼゼロ。 |
オセアニア | 😊😊😊😊😊😊😊😊😊😊 | ほぼゼロ。チャイナタウンなどアジア系住民の一部にマスク |

若干😷が見られるのがアジア諸国、コロナ前からマスクをする習慣があった地域でもあり、コロナ後もその傾向が残っています。ただしわずか数%程度、日本のように店舗や公共施設の従業員がみなマスクをしていたり、子供にまでマスクをさせている国はありません。唯一、台湾だけが例外です。
日本は、たんにマスクをしている人が目立つだけでなく、働いている人にその割合が多く、そしてマスクを外せない子供たちがいます。日本を訪れた海外の人からすれば、さぞかし異様な光景に見えるのではないかと心配されますが、いかがでしょうか。
ゆっくりと素顔回帰が進む日本、訪日外国人の増加が後押しに
日本国内も一昨年、昨年と比べると、少しずつですが状況は改善しています。こちらの記事に書いたように、街角のマスク率は減っており、チェーン店舗や公共施設のほか、病院でもようやくマスクの任意化に進むところが増えてきました。海外との関係性という視点で言えば、今後次のような動きが期待されます。

にもかかわらず空港の職員にいまだマスク姿が目立つのは残念で仕方ありませんが、言葉の壁を越えて積極的に外国人とコミュニケーションをとろうとするなら、マスクは邪魔でしかないのは明らかです。インバウンド客の多いところほど、素顔回帰は進んでいくでしょう。
関西万博の盛況ぶりがニュースになっていますが、東京でまもなく世界陸上が、11月には聴覚障害者のオリンピックと呼ばれるデフリンピックが開催されます。あいつぐ国際イベントもまた、脱マスクの後押しになります。
顔の見える社会を体験した人たちが、日本社会の正常化を牽引する
一方でコロナ後に海外へ出かけた日本人の多くが、諸外国では誰もマスクをしていない事実に気づき、日本のマスク社会に違和感を感じています。知識として「海外では誰もマスクをしていない」と知っていることと、実際にその場所へ行って体験するのでは全然違います。ずっとマスクをしていたけれど、海外訪問をきっかけに外すようになった、外せるようになったという話もよく聞きます。

「若者の行動が高齢者に感染させている」と悪者扱いされた世代が、日本を離れて海外を訪れ、とっくにコロナが過去のものとなった社会を目の当たりにしたとき、いったいどのように感じるでしょうか?
もちろん30代以上でも同様のショックがあると思いますが、より思考が柔軟な若い世代ほどインパクトは大きいでしょう。さらに年少の、物心ついたときにはコロナの制限が始まっていたという子供たちにとっては、お店で誰もマスクをしていない風景はとてつもなく新鮮に映るはず。
なぜ、日本だけ? 変だよね?
顔の見える社会を体験した人たち、とりわけ若者たちが、日本社会の正常化を牽引していくと期待しています。
(参考)若者の「海外旅行離れ」は本当か? 年代別の出国率は20代がトップ