世界の素顔/マスク事情について、日本と海外の状況を比較調査
諸外国では素顔回帰が進むのに、日本人だけいつまでもマスク?
マスクの問題を論じるとき、忘れてはならないのは海外との比較です。よく諸外国ではとっくにマスクを外しているのに、日本人だけがマスクをし続けている。あるいはアジアの国々ではマスクをしている人が多い、なんて話をすることもありますが、本当のところどうなのでしょうか?
また、もし本当にマスクがウィルスを防ぐのに役立つのであれば、マスク無しで感染リスクが高まるのであれば、脱マスクが進んだ海外では感染爆発により医療が逼迫して大騒ぎになってしかるべきではないでしょうか? なぜ、そうならないのか?
2022年に世界各国の国境が再開されて以降、素顔ジャパンプロジェクトのメンバーが実際に海外を訪れたときのリアルな情報をベースに、世界の素顔/マスク事情をまとめてみました。
年月 | 国名 | 場所 | 素顔率 | 注釈 |
---|---|---|---|---|
2022年8月 | スイス | 屋外/屋内 | 😊😊😊😊😊 | 世界に先駆けてコロナ規制を撤廃 |
スイス | 登山鉄道 | 😊😊😊😊😷 | 一部の乗客に😷あり | |
ドイツ | 屋外/屋内 | 😊😊😊😊😊 | 街角にコロナ検査所があり、そのスタッフのみ😷 | |
ドイツ | 特急列車 | 😊😷😷😷😷 | 当時まだマスク着用の義務あり | |
カタール | 空港 | 😊😊😷😷😷 | 航空機内でのマスク着用推奨あり。空港で係員がマスクを配布 | |
2022年夏 | 日本 | 屋外/屋内 | 😷😷😷😷😷 | 数%程度😊あり |
2023年2月 | アメリカ(フロリダ) | 屋外/屋内 | 😊😊😊😊😊 | |
2023年7月 | イギリス | 屋外/屋内 | 😊😊😊😊😊 | |
2023年8月 | オーストラリア | 屋外/屋内 | 😊😊😊😊😊 | アジア系住民の一部😷あり |
オーストラリア | 地下鉄/バス | 😊😊😊😊😊 | ||
オーストラリア | チャイナタウン | 😊😊😊😊😷 | ||
2023年夏 | 日本 | 屋外 | 😊😊😊😷😷 | |
日本 | 屋内(従業員) | 😊😷😷😷😷 | ||
2024年1月 | 中国(北京/西安) | 屋外 | 😊😊😊😊😊 | 数%程度😷あり |
中国(北京/西安) | 屋内 | 😊😊😊😊😷 | ||
2024年8月 | ドイツ | 屋外/屋内 | 😊😊😊😊😊 | |
スイス | 屋外/屋内 | 😊😊😊😊😊 | ||
中国(北京) | 空港 | 😊😊😊😊😊 | 検疫スタッフのみ😷あり | |
2024年8月 | 台湾 | 屋外 | 😊😊😊😷😷 | 小さい子の😷多し |
台湾 | 屋内(従業員) | 😊😊😷😷😷 | 日本同様に客は😊、店員は😷という場面も多し | |
2024年9月 | 韓国 | 屋外 | 😊😊😊😊😊 | 数%程度😷あり。中高年女性もほぼ😊、遠足の中学生も全員😊 |
韓国 | 屋内(従業員) | 😊😊😊😊😷 | スーパー、レストランなどの店員も😊。たまに😷あり | |
2024年夏 | 日本 | 屋外 | 😊😊😊😊😷 | |
日本 | 屋内(従業員) | 😊😊😷😷😷 | ||
凡例 ※あくまで目安です |
😊😊😊😊😊 … 全員素顔、または素顔率90%以上 😊😊😊😊😷 … 素顔率70%以上 😊😊😊😷😷 … 素顔率50%以上 😊😊😷😷😷 … 素顔率20%以上 😊😷😷😷😷 … 素顔率20%未満 😷😷😷😷😷 … 全員マスク、または素顔率10%未満 |
欧米諸国の素顔率はほぼ100%
みなさんご存知かとは思いますが、欧米諸国ではマスク着用者はほぼゼロ、素顔率100%です。2022年の夏、日本ではまだほとんどの人がマスクを着けていましたが、その時点ですでにマスクゼロ。細かいことを言うと、ヨーロッパでも国によっては公共交通でのマスク義務を残していたり、航空会社がマスク着用を推奨していたので、場所によってマスク姿を見かけることはありましたが、通常の街角や店頭ではゼロでした。
22年の冬に開催されたカタールでのサッカーW杯。スタジアムでの観戦客がみなノーマスクだったことも記憶に新しいですね。当時まだ厳しいコロナ規制を敷いていた中国が、素顔のスタジアム風景を自国民に見せてはまずいと、映像を加工して流した、なんて話もありました。
いずれにせよ、あれから2年経ちますが、海外のどこかの国で感染爆発が起きたり、コロナによる死者が増えたなどというニュースを目にしたことがあるでしょうか?
日本ではいまだ「コロナが流行っているからマスク…」という声を耳にすることがありますが、ちょっと海外に目を向けるだけで、何の根拠もないことが分かります。百聞は一見にしかず。ぜひ一度ヨーロッパでもアメリカでもよいから出かけて、自身の目で見てきてほしいと強く思います。
アジア諸国の脱マスクも進んでいるが…
一方でアジア諸国はどうでしょうか? 2023年夏にオーストラリアを訪れた際、一部アジア系の住民の中にはマスクを着けている人もいました。2022年のスイスでも同様にアジア系およびイスラム系の観光客にはマスク姿がありました。アジア人はマスクの習慣があると言われることもありますし、イスラム圏の女性の中には宗教的理由で顔を隠しているケースがあり、マスクとの親和性があると考えることもできます。
実際のところどうなのか? 2024年、中国や韓国ではマスクをしている人は、もうほとんどいませんでした。日本ではマスク率の高い中高年女性もほぼみな素顔、遠足とおぼしき中学生の集団も全員素顔でした。
一方でマスク率の高さに驚かされたのは台湾でした。ざっと街を歩く限りは日本と似ていて、客は素顔でも店員はマスクというケースが多く、観光地を訪れると素顔率は高めでした。気になったのは子供のマスク。特に日本ではさすがに少ない幼児~小学校低学年の子のマスクが目立ち、将来が心配になりました。
脱マスクの進む中国・韓国と、マスク依存が残る日本・台湾の差はどこにあるのでしょうか? 日台のほうが同調圧力が強く、中韓のほうが個が強いのかもしれません…。
もっとも各国で見かけた日本人の旅行者は、ほとんど素顔でした。欧米を含めて海外に出かけた人たちが、帰国して日本のおかしさに気づく。言葉の通じない海外だからこそ、表情が見えるかどうかが大事だと分かる。国際交流の進展が、社会の素顔回帰につながっていくことを切に願います。