マスク依存症~年齢/世代による分類
世代別の依存傾向
子供なのか大人なのか、年齢によってもマスク依存の傾向は異なります。心配される弊害も、互いの関係性も異なります。依存症の解消に向けて、5つの世代に分けて考えてみます。【1】未就学児~小学生 … 自分の意思よりも、保護者や学校など大人の方針が強い
【2】中学~高校生(思春期) … 自意識や対人評価に敏感で、容姿コンプレックスを抱きやすい
【3】大学生~若年成人 … コロナ禍に思春期を迎えた影響があり、顔を隠す安心感に慣れてしまった
【4】社会人~子育て世代 … 職場や保護者間の同調圧力により習慣化し、外すタイミングを逸した
【5】シニア世代 … メディアの影響を受けやすく感染不安も強い。他者に着用を求めがちな傾向も
| 依存傾向 | 心配される弊害 | |
| 【1】 未就学児~小学生 |
園児および小学校の低学年までは、本人の判断よりも親をはじめ周囲の大人の影響が大きい。 「マスクを外してはいけない」という思い込みを持ちやすい。 |
親や保育士など周りの大人のマスク姿が、表情や非言語コミュニケーションの発達を阻害する恐れ。 高学年になると「顔を見られたくない」意識が生まれ、依存症の悪化につながる。 |
| 【2】 中学~高校生(思春期) |
当初は学校生活における同調圧力が大きく、マスク着用が習慣化。 コロナ収束後に外す子が増えた一方で「素顔を見せるのが怖い」といった感情が強く残り、マスク依存になってしまった子が少なくない。 深刻なケースでは運動会や体育祭で大人が外すよう促しても外せない。 |
体育や給食などマスクを外す時間が苦手になる。 顔が見えないことにより人間関係を築きづらく、人格形成にも影響。 増加する不登校や暴力行為の遠因になっているという見方も。 |
| 【3】 大学生~若年成人 |
コロナ禍を思春期に経験し、対面活動の少ない時期を過ごしてきた世代。 自己表現の機会が限られ、「顔を知られていない安心感」に慣れてしまい、マスクを外せなくなる。 |
就職など新たな人間関係を構築する際にもマスク着用だと、コミュニケーションが不全に。 顔が見えない関係では恋愛が生まれにくく、婚姻減や少子化につながるリスク。 このまま外すタイミングが無く、マスク依存が長期化してしまう恐れ。 |
| 【4】 社会人~子育て世代 |
職場や保護者同士など、同調圧力+習慣化のダブル要因でマスクを外しにくい。 若年層のように進学/就職など環境が変わることが少なく、外すタイミングを逸してしまった。 特に女性は、化粧不要など顔を隠せることが目的化して外せないケースも。 |
マスク姿が多い職場など集団での依存傾向により、コミュニケーション不足や業務効率の低下。 親がマスク依存になってしまったことによる子供世代への影響。 近所づきあいで顔が見えず、不審者との区別がつきづらいことによる治安・防犯面の懸念。 |
| 【5】 シニア世代 |
感染への不安が強く、リスク回避行動が習慣化しやすい。 メディアの影響を受けやすく、インフル流行などの報道のたびにマスクを外せなくなる。 若い世代など外す人が増えても、「自分は外さない」という意思を貫く傾向。 |
夏の炎天下でも外せなかったり、屋内でも着用を続けることによる熱中症のリスク。 長時間のマスク着用により雑菌が増殖し、むしろ健康に悪影響。 互いの表情が分からず、コミュニケーションの質が低下することによる認知機能の低下。 |
世代間の関係と影響について
<図>マスク依存症/世代による分類

世代ごとに、マスク依存の心理背景が【A】~【E】のどのタイプにあてはまりやすいのか、および互いの関係や影響力について整理してみます。もちろん個々に状況が異なる場合もあるでしょう。
✅ マスク依存の要因 心理的な背景による分類【A】~【E】について
【1】未就学児~小学生の場合、本人の依存度は低く、親が【C】潔癖症タイプでマスクをさせているケースが多いと思われます。高学年になるにつれて、本人の意思で外せない【2】思春期世代と同じ傾向が見られます。
【2】思春期世代や【3】の若年成人層は、コロナ当初は学校内での一律な着用による【D】同調圧力タイプ。外す人が多くなるにしたがい、【A】対人不安や【B】容姿コンプレックスに移行し、結果として外せない層が取り残される状況が生まれています。
【4】社会人~子育て世代は、職場環境や生活スタイルによる【D】同調圧力または【E】習慣化。女性の場合は【B】容姿コンプレックスタイプも少なくないようです。【5】シニア世代は、人間関係が固定化されて外すきっかけのない【E】習慣化タイプと、感染を気にする【C】潔癖症タイプが混在していると考えられます。
重大なのは中心世代である【4】の行動は【1】【2】の未成年層への関わりも大きいこと。なおかつ今後の人生の長さを含めて、若いほど心理的な傷は深刻である点です。個人だけの問題に収まらず、組織になると外せない集団としてのマスク依存傾向も無視できません。社会全体で解消すべき重要な課題と言えるでしょう。
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