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『水ダウ』に続いて『新宿野戦病院』も、マスク依存や過剰なコロナ対策、メディアが話題にし始めた?

 前回のコラムで、マスク依存や過剰なコロナ対策、メディアが話題にし始めた? という記事を書きました。

 とりわけTBS系列の人気バラエティ『水曜日のダウンタウン』の「コロナ対策、いまだに現役バリバリの現場があっても従わざるを得ない説」は、コロナ対策を茶化すなという反対意見、よくぞ放送してくれた、きちんと検証して教訓にすべきという賛成意見が入り乱れ、かなり話題になったようです。

 そんな『水ダウ』に続いて、フジテレビ系列のドラマ『新宿野戦病院』が、やはり劇中でコロナ対策をモチーフにしたストーリーを展開し、これまた議論を呼んでいます。

※ドラマのネタバレを含みますので未視聴の方はお気を付けください。

コロナの補助金の問題、そしてステイホームに効果があったのかどうか

 東洋一の歓楽街、新宿歌舞伎町にある小さな救急病院「聖まごころ病院」を舞台に繰り広げられるドラマ、未知のウィルスと感染対策の問題が描かれたのは終盤の第10話(9月4日放送)と最終話の11話(9月11日放送)です。

 米国帰りの歌舞伎町のホストが新型の「ルミナウィルス」に感染、これをきっかけに日本中にパンデミックが広がり、コロナ禍と同じようなマスク着用、PCR検査、アクリル板、濃厚接触などの対応が繰り広げられます。ちなみに劇中の登場人物はみなコロナを経験し、コロナを乗り越えた設定になっています。

 聖まごころ病院はベッド数が少なく、コロナのときは補助金がもらえなかったのですが、今度はもらえるように申請しようというストーリー展開の中で、次のような病院スタッフのやり取りが。
「コロナの時も補助金だけもらって、実際は患者を受け入れない病院けっこうあったそうですよ」
「そのせいで発熱患者はたらいまわしにされて…」

 さらにはテレビで報じられるニュースを見ながら院長がぽつり。
「出たよーステイホーム。日本人は何も学んでないねー」

 解釈は人それぞれだと思いますが、コロナ対策に投じられた巨額の補助金の問題、そしてステイホームに効果があったのかどうか。実社会で検証されていないことを、登場人物が批判的に論じる流れが印象的でした。

マスク不要! 顔半分見えないとストレス! 主人公の小池栄子さんが叫ぶ

 さらには病院内でルミナウィルスの感染者が発生してしまった後、屋上に集まった医師仲間たちを相手に主人公の小池栄子さんが着けていたマスクを外して叫びました。

「(屋外では)明らかにマスク不要!(We don't need masks)」
「緊急事態だからって自分の頭で考えることまで放棄するな」

 なお小池さん演じるヨウコ・ニシ・フリーマンは米国籍の設定で、台詞に時々英語が混じり、そのたび日本語訳が字幕で表示されました。制作サイドはあえて外国人視点を入れたのか、「文字」で明記することを狙ったのか、分かりませんが…

「たしかにアメリカ人、コロナの時も外ではノーマスクだった」
「ただでさえ日本人、表情が乏しい」
「顔半分見えないとでれぇストレス」

 コロナ後の日本社会で長引くマスクの問題。これまで公共の電波で、ここまで正面から話題にされたことがあったでしょうか?

 フィクションのドラマ内の台詞とはいえ、医師が「マスク不要!」と叫び、顔の半分が隠されて表情が見えないことの問題点も指摘する。本来、報道番組がすべきことを、代わりにドラマの脚本がやった。問題提起をしてくれた。そのように感じました。

現実世界の報道番組でも、感染対策やマスクの是非について論じてもらえたら

 やがてルミナウィルスの感染者は減り始め、政府は緊急事態宣言を解除、しかしまもなく第二波が…とストーリーは進みます。並行して自粛警察の問題、ウィルス感染の犯人捜しの問題、同調圧力の怖さなど、コロナ禍で噴出した数々の問題が、ドラマの中の場面として台詞として描かれました。順不同で列記します。

「感染して謝るような奴は最初から医者になんかなるな」

「あれだよ自粛警察、脅迫されたり石投げ込まれたり」

「本当にないんですか後遺症?」
「ねえよ、んなもん、ただの風邪だよ」

「(マスクを指さして)こんなもんで感染防げるわけねえ」
「発症するせんは気力と免疫力の差じゃ」
「(マスク姿の女性に対して)誰じゃったっけ?」

「今怖いのは感染を恐れるあまり、それ以外の病気が放置されたり治療が先送りになるケースです」
「ウィルス感染症が一段落すると心のケアが大事になってくる」

 面白かったのは劇中に実在するニュース番組の『Mr.サンデー』が登場し、司会の宮根誠司さんも本人役で登場、小池栄子さんとやり合う場面も描かれたことです。ぜひ現実世界の報道番組でも、ヨウコ・ニシ・フリーマンのような医師が登場して、感染対策やマスクの是非について論じてもらえたらよいのですが。

 いずれにせよ、フィクションの中に現実が織り込まれることでリアリティのある内容でした。もちろん医療がテーマのドラマである以上、エンドロールにはしっかり「医療監修」もクレジットされていたことを、最後に書き添えておきたいと思います。

(2024年9月13日 木舟周作)


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