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素顔ジャパンプロジェクト

小中学校/体育や運動会におけるマスク問題を追及する 後編

(前編から続く)運動会の練習にて熱中症で搬送 マスクの有無と自治体の回答は?

鹿児島県薩摩川内市/体育の授業で多数の児童がマスク着用

続いては熱中症のニュースではありませんが、多数の児童がマスク着用のまま体育の授業に参加している写真がメディア掲載されていた事例です。このような記事、昨年まで残念ながら珍しくはなく、様々な媒体でマスク姿のまま運動している子の写真や映像が見られましたが、今なお改善されないのかと失望します。

ゆとり教育への反動で復活した土曜授業
記事自体は土曜授業についてのものですが、使われている写真を見ると、綱引きをしている児童の全員がマスクを着けたままであることが分かります。

体育など運動時のマスク着用については以前から危険性が指摘され、文部科学省の指針においても外すことが基本になっているはず。なぜ外すように指導をしないのか、市の教育委員会および掲載元の南日本新聞に問合わせをしました。薩摩川内市からは何の回答も得られず、一方で南日本新聞からはワードファイルで2ページに及ぶ長文の回答がありました。要点のみ記述します。

「ご指摘の通り、文部科学省は教職員や児童生徒間のコミュニケーションが円滑となり、充実した学校生活にも資する観点から「児童生徒のマスク着用は不要」という立場で通知も出しています」

「一方で、さまざまな事情により、感染不安を抱き、マスクの着用を希望する児童生徒に対してはマスクを外すことを強いることは適切ではないことから、学校現場に児童生徒がマスクを外して学校生活を送ることができるように丁寧な情報発信をお願いするということも述べています。(中略) こうした状況の中、取材した学校では多くの児童が自主的にマスクを着用し授業に臨んでいました。言わずもがなですが、こちらで意図的に着用をお願いした事実は全くありません」

「学校関係者はもとより、地域住民の方々や近くの中学校の皆さんも見守る中で子どもたちは各自水筒を携え、学校関係者は熱中症を含めて健康管理に留意していました。その中で自主的にマスクを着用している児童に対し、われわれの立場で授業を中断し、マスクを外すように強要することは難しかったことはご理解賜りますようお願いいたします」

みなさん、この回答の最大の問題点が何かお分かりになりますでしょうか?

あくまで南日本新聞社は取材媒体ですので、児童のマスク着脱について一次的な責任を負う立場ではなく、学校サイドに何かを要望する立場でもありません。看過できないのは、運動時のマスク着用を「児童の自主的な判断」つまり子供たち自身の責任であると答えている点にあります。

<追記>
本記事掲載後に、薩摩川内市教育委員会より回答がありました。3週間以上かかっての回答、かつ「文部科学省の事務連絡で体育の授業の際には、マスクの着用は必要ない」ことを認めつつ、「児童は個人の判断によりマスクを着用」という残念な内容であったことを追記します。

運動時ですらマスクを外せない子供たち、外せないのは自己責任なのか?

たまたま南日本新聞の回答事例を載せましたが、「子供自身の判断で着けている」「子供が外したがらないから、外すよう強制できない」という言い訳は、これまでも多くの自治体の行政担当者、校長や副校長、さらには議員からも聞かれた言葉です。

しかし、たとえばマスク着用のまま運動した生徒が倒れたとき、最悪命の危険があったとき、それでも「子供自身の判断だった」と言い訳できるのでしょうか? 無責任にもほどがあります。

子供たちがマスクを外せないのは感染対策ではなく、顔を見せるのが恥ずかしい、周りみんなが着けているから、という要因が多数です。息が苦しくなる運動時すら外せない、成長段階の子供の心理状態をそこまで追い込んだ大人たちが、なお自分たちの責任を棚上げして子供自身のせいにする。決して許されたことでありません。
マスク着用「素顔見せたくない」小学生3割、中学生4割超

2024年度になり、多くの学校で少しずつですが生徒の脱マスクは進んでいます。特に体育や運動会でのマスクについては現場の先生方にも危機感があり、外そうという呼びかけもあるのでしょう、「やっと素顔の運動会だった!」という声も聞いています。それでもなお外せずにいる子がいます。地域により個々の学校により大きな差があります。

子供たちを守るために何をすべきなのか、社会全体で本気で考えてみる必要があるでしょう。

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