防犯面の懸念、顔を隠すマスクやフェイスカバー、怪しい訪問業者の問題について
涼しい季節になり、街を歩くマスク姿の人が増えてきました。もちろん風邪気味など理由があって着用している人はよいのですが、防犯上の観点から気になることが2つあります。マスクやサングラスで極端に顔を隠している人がいることと、怪しい訪問業者などの犯罪者まで顔を隠しやすい世の中になっていないかということ…。みなさんどう思われますか?
マスク+サングラスやフェイスカバーで顔が見えない
マスクとサングラスの不審者というのはステレオタイプで、実際にはそんな姿の犯罪者は少ないとも言いますが、それでも顔が完全に隠された姿は相手に不安を与えます。帽子を目深にかぶってマスク、あるいは顔をすっぽり覆ったフェイスカバー姿、コロナ以前は見かけなかったスタイルです。感染対策ではなく、顔を隠すことが目的化してはいないでしょうか?
実際に街で顔を完全に隠して歩いている(または自転車に乗っている)人は、100人に1人いるかどうか。女性が多いですが、男性もいます(なにせ顔が見えないので正確には分かりません…)。住宅街でたまに見かける一方で、都心の繫華街を訪れるとほとんど見かけることがありません。屋内の店舗や施設、あるいは電車の車内などでも出会いません。
たぶん着けている人も、人の多いところでは悪目立ちし、さすがに怪しいという自覚があるのでしょう。でも、子供たちのいる通学路や人気のない公園などのほうが、万一を考えると怖くないでしょうか。1人のみならず数人並んでいたら…。悪意ある者がマネをしたら…。社会の安心を優先してほしいと願います。
万引き、強盗、怪しい勧誘や訪問業者など犯罪助長のリスク
2024年8月には大阪の宝飾店にマスク姿の強盗が入り、従業員が殺害されてしまったという痛ましい事件がありました。コロナ前であれば真夏にマスクは怪しいということで警戒し、入店を断ることもできたのではないでしょうか。郵便配達や宅配便をはじめ、保険の勧誘、外壁塗装に水回りの点検など、日々生活をしていると様々な業者の訪問があります。当たり前のようにマスク姿で、顔が見えないケースが少なくありません。
もちろん大半は善良な事業者だと思いますが、中には悪質な者、顔を隠すことが珍しくない社会状況を利用しようと考える者もいるでしょう。たとえば電話工事の点検云々という名目でやって来た業者がいて、マスクを外してほしいと頼んだところ、一瞬だけ外した後すぐに着けなおし、退散していったという事例がありました。みなさんも気を付けてください。
<参考記事>
逮捕の中国籍男「顔全体を覆うマスク」で変装か 大阪・心斎橋の宝飾店強盗殺人
社会の安全は1人1人の顔の見えるコミュニケーションから
昨年コロナが5類に移行してしばらくは、街角で市民の安全を守る警察官も多くがマスク姿のままでした。最近はようやく素顔で交番に立ち、素顔で巡回する姿のほうが多くなってきたように思います。犯罪者が顔を隠しづらくするためにも、まずは取り締まるべき警察官がマスクを外していてほしいものです。
一方でスーパーなどの店舗や公共施設など、まだまだマスク姿が目立つところが多いですね。警備員がマスク姿だと、不審者を注意するのも難しい。万引きや置き引きに注意などと言いつつ、顔の大半が隠されていては防犯カメラも役に立たないと思うのですが…。
昨今はいわゆる闇バイトの問題、暴力を伴う犯罪のニュースも増えて、体感治安が悪くなっていると感じている人は少なくないはず。泥棒が犯行をあきらめる最大の理由は「近所の人に声をかけられた」だそうです。人々の顔がきちんと見えて安心安全な社会に、戻ってほしいと願うばかりです。
(2024年11月21日 木舟周作)