高齢者施設におけるマスク着用に関するアンケート
令和6(2024)年4月、都内の高齢者施設1箇所からアンケートのご協力を得て、合計18名の職員の方にご回答いただきました。集計結果は以下の通りです。・どちらかというと外したい …5人
・どちらかというと着けていたい …10人
・着けていたい …3人
・①ウイルスを防ぐ②花粉症があるので、マスクを利用したい
・もしもの為
・素顔を露わにしていることに抵抗がある。自分が感染していた場合、広めないよう予防できるため。
・メガネがくもる。夏、汗がマスクの中に入り苦しい
・感染症対策
・高齢者の方々の免疫低下していると思うので、外部の菌を持ち込みたくないです。
・表情がわかりにくい
・感染が気になるため
・暑く息苦しい。口元が見えないため言葉が伝わりにくいことがある
・暑いし、声がこもって聞きとりにくい為
・暑くなってくると苦しいので
・顔を出したくない。マスクをする事になれてしまった
・なんとなく
・社内の施設の感染状況を随時確認していますが、依然としてコロナ感染は複数施設で発生しているため
・感染予防の為
・どちらかといえば義務はもう必要ではないと思う …6人
・どちらかといえば義務はまだ必要だと思う…7人
・義務はまだ必要だと思う …5人
・義務ではもう必要ではないと思う。強制的に付ける選択を与えるのではなく、選択できるとよいと思う。
・コロナが5類になってとはいえインフルエンザやノロ等の感染症がなくなった訳ではないから。
・細菌、ウイルスのカット率が3割といわれているため。30%の防御率は大きい。約3回に1度の接触で無効化していると考えればリターンは大きい。
・コロナやインフルなどに感染した人がいたら広がってしまうから
・油断しない方がよいと思う
・安全のためにしておいた方が安心だがお客様の中にはマスク着用が難しい方もいるため一方が付けるなら職員側と思う
・外したいが、自分がかかってお客様にうつして周りに迷惑かけたくないので
・感染予防のために
・感染リスクがある。高齢者は重症化しやすいので感染させてはいけない。
・クラスターになると大変なので
・感染予防の為
・言葉がききとりにくい場合がある
・フロア業務、入浴業務の際息苦しいと感じることがある。
・夏場は少し息苦しく感じることがある。
・感染リスクがおさえられる安心感がある
・涼しいマスク、苦しくないマスクを着けたい
・休憩でマスクを外すと顔の印象が変わる。アゴにマスクをしてしゃべる人がいて、意味ないなと感じる。
・声が聞きとりにくい。息苦しさ
マスクのみを過信せず、意思疎通の支障など問題点をふまえた対応を
国が「マスクは個人の判断」との指針を示してから1年以上経ちますが、今回アンケートにご協力いただいた高齢者施設では職員の多くに今も「マスクをして感染対策すべき」という意識があることが分かりました。一方で、季節や業務内容によっては息苦しい、入居者との意思疎通に支障をきたしている、という意見も見られました。こういった弊害も軽視すべきことではないと思われますが、実際にそう感じていながらもマスク着用義務を続けるべきだと多くの職員が回答しているのは、弊害を受け入れてでもマスクの着用によるベネフィットがあると強く信じているからでしょう。
世間で脱マスクが進んでいる中でのこの結果は、マスク問題がかなり根深いことを意味していると思われます。しかし、施設管理者を始め一人ひとりがマスクの効果の限界や弊害に関する研究報告や理論、脱マスク済み施設の事例といった様々な情報に触れて多角的な視点を持つことができれば、マスクによる感染対策を最優先すべきという考え方にも変化が生まれるかもしれません。
また、情報に触れることで自他の心身の総合的な健康を追求していくことの重要性に気付き、感染対策ということにとらわれすぎずに、自分で自覚する息苦しさや意思疎通への支障といった弊害にも対処しようとするかもしれません。今回ご協力いただいた施設以外も多くがマスクについて同じような意識である可能性が高いですが、意識の変革が施設の内部から起きることを手助けするために、漫然と続くマスク社会に疑問や危機感を抱いている者が情報提供をして外側からきっかけを作り出していく必要があると思われます。
(調査実施/素顔ジャパンプロジェクト 森本 貴大)